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「SMFコトバワークショップ2023」レポート
ことばのことばっか考える日。
2023年9月23日(土曜日)、札幌メディア・アート・フォーラム(SMF)による、学生とプロによる「SMF コトバワークショップ2023」が開催されました。伝わる表現のコツをプロのコピーライターさんから「直接」学ぶ貴重なワークショップとして毎年好評です。
今回は、道内大学7校から総勢20名の学生さんたちが参加しました。学校、学部、学年、地域、様々な垣根を越えて、コトバと真剣に向き合った一日を財団クリエイティブ産業振興課が、ほんの少しリポートします。
【札幌メディア・アート・フォーラム(SMF)とは?】
産学官の活動体として、情報文化学会北海道支部、行政(札幌市、さっぽろ産業振興財団)、関連教育機関、現場のクリエイター、関連企業などと連携をとりながら、メディア・アート・デザインおよび産業の高度化、活性化に寄与する活動を展開しています。
ワークショップをデザインする
モノゴトを、様々な視点で考える「楽しさ」や「大切さ」を知ってもらおう、と始まったSMFのコトバワークショップ。
2010年より始まり、今回で16回目の開催となりました。
毎年進化し続けているワークショップですが、今年もSMF事務局、OBOG、講師陣がアイデアを駆使しながらワークショップ全体を設計しています。
「参加してよかった」と思ってもらえるか?
伝わるコトバの考え方に触れてもらえるか?
スムーズに流れるか?楽しんでもらえるか?
講師を担当するコピーライターさん達も真剣です。
講師陣は、参加者の考えに寄り添ったり、ヒントを出したり、色々な視点で考え方のサポートをしていきます。
参加者のアイデアを引き出しながら、各々の考えから表現の幅を広げていきます。
【講師紹介】
- 池端 宏介さん(インプロバイド)
- 岩崎 浄美さん(かもめプランニング)
- 遠藤 誠之さん(アルファシリウス)
- 佐藤 秀峰さん(かもめプランニング)
- 菅原 好雪さん(Rockaku)
- 土田 菜月さん(プロコム北海道)
- 宮本 璃子さん(サイバーエージェント)
※今回初参加の宮本璃子さん、2回目の参加土田菜月さんはコトバワークショップのOGでもあります。
まずは、佐藤秀峰さんのレクチャーから始まり、
講師紹介、ウオーミングアップの練習課題へと進みます。
練習課題テーマは、
「北海道産の海産物」をもっと食べてもらうキャッチコピーを考えよう。
練習課題をチームごとに発表していきます。
使う人の気持ちになってみる
伝えたいことばが、必ずしも伝わっているとは限らない。
相手に伝わってこそ、コトバの力が発揮されます。
練習課題でウォームアップした後は、本課題のテーマ発表です。
本課題のテーマは、「エスカレーターでは両側で立ち止まる」を啓発するキャッチコピーを考えよう。
「エスカレーターを歩く」「片側を空けて立ち止まる」当たり前になっていた行動について、向き合います。
こちらの課題を取り上げるにあたり、北海道理学療法士会の理事・副会長で、理学療法士の杉原氏よりレクチャーを受けます。
- エスカレーターは歩かない。でも、なぜ?
- 片側を空けずに両側で立ち止まる。でも、なぜ?
理学療法士さんの視点から、エスカレーターの使用に関する課題や、他都市の取り組みなどを説明してもらう時間。
札幌市交通局の方からも、地下鉄の利用マナーや地下鉄で多く報告される事故についてお話をうかがいます。
コピーを考えるうえで、ヒアリングやリサーチ、情報のインプットは欠かせません。
はたして、どのようなコトバや言い回しが、相手の心を動かすのか?
とにかく考える。悩む。言語化する。視点が変われば、コピーも変わる。
みなさん想像を無限に膨らましていきます。
限られた時間の中で、より良い表現を模索します。
出会いをきっかけに。
プレゼンテーションでは、ひとり2案を発表します。
名物のディベートも盛り上がり、交流会ではチーム賞、個人賞、講師賞が発表されました。
相手の意見を否定するのではなく、論理的に質問し、説明・説得をしなくてはなりません。
社会で活躍する際にも必要になってくるスキルです。
SMFのコトバワークショップは、自分のアイデアだけではなく、自分以外のアイデアに出会う機会です。
興味のあるコンテンツが自動的にスマホに届いてしまう時代のなかで、
全く異なるバックグラウンドをもつ同世代と話す機会をもてることが、このWSの醍醐味なのかも知れません。
ワークショップ参加者の中には、コピーライターやデザイナー、コンテンツクリエイターといったクリエイティブ業界で活躍する人も増えてきていますが、
クリエイテイブ業界と仕事をする側(製造、IT、教育、小売り・販売、地域活性、スタートアップなど)、各産業分野で活躍する人も増えてきています。
デジタル化やグローバル化により、人々の価値観がスピーディに変化している中、社会でも企業でも「クリエイティブに考える人」の活躍は欠かせません。
「クリエイティブに考える人」が増えれば増えるほど、アイデアはであい、刺激し合い、活性化されていきます。
その結果、札幌市・北海道の産業全体が元気になっていく、そんな良いループが生まれていくことが、ワークショップ関係者達の思いでもあります。
このワークショップがきっかけで、参加した学生さんの心が動いたり、意識が変わったり、何かしら、札幌・北海道と関わる仕事で活躍してもえたら、クリエイティブ産業振興課としても嬉しい限りです!!